久々にリアル店舗でマンガを購入しました。
どっかのいつも巡回している書評サイトあたりで見たんだと思いますが、なんとなく表紙のメガネでおかっぱで着物の彼女が気になって、別のお堅い本を買うついでに買っちゃいました。帯に辻村深月さんの推薦文なんかが書いてあって、辻村さんの本も読むので興味深く思ったわけです。
お話はというと。
昭和初期(つまり大正から切り替わって戦争のかなり前)が舞台です。なので着物の人もいれば洋服の人もいて、ちょっと大きな町だとバスとか路面電車なんかもあって、そんな和洋折衷な風景の中でお話が進みます。
ワタシ自身その時代に20代だった祖母の話なんかを聞いて育ったので、なんとなく時代が変わっていく空気感にいいなぁなんて思ってました。でもこの後世界恐慌があり、日中戦争がありで、暗い時代に入っていくので、その前のちょっと明るい時代だったのかな、なんて想像ですが。
田舎育ちの鹿乃子ちゃんは「人の嘘」が判ります。
そして当然ですが子供なので素直にその嘘をしゃべってしまい、後はセオリー通りみんなに疎まれ友達もできず家族の含めて周囲とうまくやっていけません。
そんな彼女は一大決心をして家出します。数えで16歳、つまり15歳でね。
で、家出した先の古ぼけた神社で探偵の「祝左右馬」に出会い、拾われます。この探偵がまあ貧乏で食えない男なんだけど、中々に頭が切れるというかなんというか。飄々としてる割りに鋭かったりします。
彼女が「人の嘘」が判ることに気付いても何も気にしません。気にしないどころかあっさり受け入れるんですよ、この人。いや〜いい男です。そしてさらっと鹿乃子ちゃんの気が楽になるようなことを言ってのける。
深刻な話になるかと思いきや、思いっきりコメディに走るでもない。絶妙なバランスのマンガでした。ただ、少し絵柄がかわいらしすぎるかなぁってことくらい。探偵のお仕事もほとんどないので今後謎解きマンガになっていくのか、それとも二人のラブコメちっくな方向にいくのか、どっちかなぁ。
まあ全体にのほほんとしたマンガで面白かったですよ。
2巻はいつ出るのかしら。
450円なり
by 宇川晶