20世紀初頭のヨーロッパ、だと思います。
ジゼルの飼い猫が「アルセーヌ」ってところからしてたぶんもうルパンシリーズが出てたんじゃないかと。なーんて、単純にワタシがルパン好きだからそう思い込んでるだけですが。
たぶん14歳くらいのジゼルお嬢さんは、大変な名家である実家にどうしても馴染めないまま街でアパートの管理人をしながら、今は「なんでも屋」までやってます。そこで個性的なアパートの住人を含めていろいろな依頼人に出会って世界が広がっていく、まあざっくりそんな感じの話です。
今の14歳はまだ中学生で圧倒的に幼いですが、この100年くらい前の14歳は十分大人です。もっとも、この時代になってくるとちゃんと「子供」は「小さい大人」ではなくて働かなくてもいい純粋な「子供」もちゃんと存在しています。
ジゼルは正直世間知らずのお嬢さんです。
でも、それをきちんと自分で理解している賢い女の子です。
なんでも屋という一見怪しげな仕事を請け負うことで、世間知らずな自分ときちんと向き合って時に反省し、時に調子に乗ってみたりします。
この4巻では「なんでも屋」として街にやってきたサーカスの仕事を受けます。もちろん商売敵のギィも一緒です。でもまだ子供で力もなさそうなのでサーカスの団長の子供達のお守でした。それが今回のメイン。
母親である団長はサーカスの行く末と子供達の将来を鑑みて、仕事を辞めてどこかに定住しようと考えていました。なのに子供達は親の心子知らずでサーカスの芸を練習している。そこにジゼル登場。
まっすぐな瞳で前を見ているジゼルがここに入ってくることで化学反応が起ってちゃーんとハッピーエンディング。
このマンガはなんだかんだあってもちゃんとハッピーが待ってるから読後感が気持ちいいのかも。
後はジゼルが自分でちゃんと気づいてるかどうかも怪しい「恋」の行方がどうなるのか、それも今後どうなっていくのか気になります。
余談ですが、ジゼルと一緒にいるアルセーヌは賢くてかわいいです。
651円なり
by 宇川晶