アフタヌーンで描いてらっしゃるマンガ家さんですが、多分寡作です。
「アンダーカレント」を連載で読んだとき、こういう話をこういう表現で描くのっていいなぁと思ったんです。なのでアフタヌーンに出てると必ず読んでます。
さて、今回のは時系列もキャラクターもばらばらですが、何となく同じ空気を感じる短編集です。
表題作の「ゴーグル」、これはどうも豊田さんのデビュー作らしいのですが、絵柄もストーリーも完成されていて重い話だけど余韻とともに未来を感じさせる話だと思います。
無職の若者と中年のサラリーマン、そしてある事情で心を閉ざしてしまった10歳の少女。ぎこちない状態のまま少女と無職の若者が順調に打ち解けるかと思いきや、中々ドラマみたいにはうまくいかない。きっとそれが現実。作中二人で虹を見る場面があるんですが、最初は公園の水飲みで強引に作り出したものを打ち解けないまま見て、二度目は自然にできた虹をほんの少し距離が近づいた二人が見る。
たったそれだけなのに、なんとなくゴーグルを外した彼女の視線の先に未来が見えるような気がします。
で、この後日談ではなくて、前日譚が「海を見に行く」です。
順番が違うんではなく、やっぱりこの場所に置いて正解なのかな、と思います。今は心を閉ざしてる彼女もおじいちゃんと海に行った時にはちゃんと笑顔を見せていたんだってことが判ると、逆に「ゴーグル」の中の彼女が置かれた状況がどんなに過酷なものかがじわじわと伝わってきます。
とかなんとか言いながら、結局好きなのは「ミスターボージャングル」のラスト5ページ。台詞がないページが4ページ続くけれど台詞なんて必要ないんだと思います。よくできた短編映画のラストみたいで余白がすばらしいと個人的には思っています。
written by 宇川晶
株式投資☆生存戦略3ヶ月先行予測指数
2013/1/25週までの先行指数はこちらです。(mini版)
【(2013/3月末日版)株式投資☆生存戦略3ヶ月先行予測指数Full】PDF版
「安く買って高く売る」株式投資の極意を強力サポート!!
エクセルファイル(色付き指数一覧表と日経平均比較グラフ)同梱版525円
にほんブログ村
書評・レビュー ブログランキングへ
株式システムトレード ブログランキングへ
株主優待 ブログランキングへ