![さよならソルシエ 2 (フラワーコミックスアルファ) [コミック] / 穂積 (著); 小学館 (刊) さよならソルシエ 2 (フラワーコミックスアルファ) [コミック] / 穂積 (著); 小学館 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51hsbUJxPBL._SL160_.jpg)
1巻の表紙はテオドルスで、2巻の表紙はフィンセント。
そのフィンセントの笑顔は純粋でまっすぐで弟が言う「怒りという感情がない」印象を受けます。ゴッホの人生はどこまでが真実でどこからが虚構なのか判別できないところがありますが、だからこそ想像を翼を広げて様々な解釈が可能なのかもしれません。
のっけからテオは兄フィンセントのことを病気だと言い放ちます。それはなぜか。つまり、彼には生まれつき何かに対して反発するとか起るとかいった負の感情が欠如しているから。
弟は弟として兄の才能をギフトだと言ってそれを自分が楽しいだけで終わらそうとする兄にいらついて、暗い感情が時折ほとばしりでてしまいます。いつも抑えているだけに1度溢れ出すと容赦なく兄に向かう感情。それは心の中だけに留まらず口に出ることもあります。もちろん無表情を装っていても知らず知らずに表情にもでてしまう。
そんな中アカデミー側にフィンセントを誘拐され、助けに向かったテオは大きな賭けにでます。それは、欠落しているはずの負の感情を呼び起こすことだったのでした。中々覚醒しない兄の前で弟は自らに拳銃を向けますが、とうとう兄は感情を爆発させます。
そして3年。兄はひたすら絵を描き続け弟は兄の個展の準備。そんな中ふとしたことから急死し、残されたテオは兄の才能を表に出すための仕掛けをするのでした。
いや〜、そうくるかって感じです、正直。
というのも、このマンガで描かれたフィンセントは今語られているゴッホ像とはあまりにもかけ離れていたから、どうなるのかと思ってましたので。もしかして誘拐事件で覚醒してからあの破滅的な性格に転ぶのかと思ったら、なんとまあ。
テオが何をしたのか。
それは読んでのお楽しみ。
450円なり
by 宇川晶